株式会社伍魚福 代表取締役社長

勉強メモ2007.09.19(Wed)京都・柊家旅館での研修

タナベ経営さんの勉強会で京都の老舗旅館「柊家旅館」へ行きました。
江戸末期の創業で約190年の歴史のある老舗です。現在のご主人は6代目。川端康成が定宿としていたことで有名です。また喜劇王のチャップリンが泊まったこともあるそうです。
ちなみに京都では「老舗」とは3代以上、100年以上繁盛し続けている店のことを老舗と呼ぶそうです。

まずは、館内の視察をさせていただきました。江戸時代から戦後まで発展とともに増築を繰り返してこられ、3年前に新館を建てられたそうです。

こちらが川端康成がいつも使っていた部屋です。江戸時代の建築です。
時代ごとに天井の高さが違います。ここは天井も低いです。

こちらは新館の窓から見た旧館の屋根です。江戸時代から順番に増築された様子が伺えます。

柊家さんと他の何軒かを除くと高層マンションやビルに囲まれており外の景色はビジネスホテル並み?といえるでしょう。

外の景色を楽しめない分、箱庭を作ったり、外光の取り入れ方や、館内の照明を工夫したりとものすごく力を入れておられます。

建物の中にいると、御池通という市役所の前の大通りに面しているとは全く思えません。

その後、女将である西村明美さんのお話を伺いました。

代々伝えられてきた大切五訓というものがあるそうです。お客様、出入業者、従業員、家族、信用を大切にというような内容です。今の言葉で言えば経営理念にあたるものなのでしょう。

印象に残った言葉をいくつかメモしておきます。
「良いもてなしは良い人柄から」
「お客様に気を遣わせないこと」
「お祖父さんの言葉。言われてもやらないのは横着、言われてやるのは当たり前、言われなくてもするのが真心」
「採用の時には、その人が心豊かに育っているかを重視する」

ちなみにホームページの採用の欄に書いてある内容は下記の通りでした。

「日本・京都の伝統文化の環境の中で仕事をしたいと思われる方。
人との出会い、おもてなしすることが好きな方。
海外のお客様に語学を活かす機会も多くあります。
客室係では着物の着付けや作法、調理では京懐石の心・技術を学びながら働くことができます。
50代までの方で、経験は問いません。」

京都の老舗旅館のブランド力で人も集まってこられるのでしょう。見学、講演、会食と約4時間の滞在でしたが、とても居心地のよい、気持ちの良い時間を過ごすことができました。

伍魚福の歴史はまだ52年。100年目指して革新を続けていかねばなりません。