株式会社伍魚福 代表取締役社長
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「食」全般商品について地域・社会とのかかわりについて経営について2011.01.27(Thu)伍魚福の「酒の肴」が提供する価値とは(「のりのりチヨコ」を食べて思ったこと)
こちらは伍魚福の商品「備長炭カシューナッツ」です(写真は、伍魚福オンラインショップから)。
カシューナッツの周りに紀州・みなべ町の備長炭パウダーをコーティングしてあります。
隠し味に唐辛子を少々。そういう商品です。
2004年に発売したのですが、当初は余り売れませんでした。
ところが、この2~3年、徐々に売上が伸びています。
あるバーのマスターの声。
「これをミックスナッツと一緒に出すと、お客様が『何これっ』って驚いてくれて、話の種になるんですよ」
ちょっと地味なパッケージですが、東京・六本木ミッドタウンにある、国産にこだわった商品のセレクトショップでも良く売れているそうです。
買った方もそうですが、買った方の友人、知人、ご家族がこれを見てびっくりする。
びっくりされ、へー、おもしろいね、という反応があって、買った本人もうれしい。
最近はこんな風に「謎の黒い物体」というコトPOPをつけての販売も広がっています。
伍魚福の商品がお客様に提供する「価値」のヒントがそこにあります。
この商品を改良するとしたらどうするか?
「備長炭の厚みを0.5mm増やしました!」という改良をしたとします。
でも、この商品のお客様価値が「買った方の周りの方が驚くこと」だとするならば、そのような改良をしても全く意味がありません。
この商品を買っていただいた方や周りの方にもっとびっくりしてもらうためにはどんなパッケージにするか?どんな食べ方をして頂いたらもっとおもしろいか。そういうことを考えなければならないのです。
昨夜、家族で「神戸・須磨・のりのりチヨコ」を試食しました。
これは、須磨を盛り上げようと地元の商店の皆さんが組織している「須磨を西海岸化し隊」の皆さんが「須磨海苔」を広めるために作った商品です。
#この写真は、須磨を西海岸化し隊のページから引用させて頂きました。
隊長の尾崎秀則さんと先日神戸ファッション協会さんの勉強会で知り合い、一つ分けて頂きました。
須磨の一番摘みの海苔と粗塩を隠し味にしたチョコレートとが、意外によく合っていておいしい。
家族で食べましたが、子供たちにも、意外に合う、友達を笑わせるためには買うかも、というような感想で盛り上がりました。
その後も、わが家にあったチョコレートに味付海苔を巻いて食べてみたり、塩を一つまみ載せて食べてみたりと、さらにコミュニケーションが深まりました。
感想をツイッターで尾崎さん宛に送り、やり取りをしている中でふと気づいたのですが、「肴」という言葉自体に「酒の席での話題」という意味があるのです。
広辞苑第五版には次のように書いてありました。
さかな【肴・魚】(酒菜の意)
(1)酒を飲むときに食う物。大和物語「かたい塩-にして酒を飲ませて」。「酒の-」
(2)酒席の興を添える歌舞や話題など。狂、笠の下「のう御ぼう、なんぞ-が見たう御ざるの」。「上役の悪口を-にする」
(3)(魚と書く)(食用の)うお。魚類。「-を釣る」「白身の-」
日本語は、深いです。
我々が伍魚福の商品の価値は・・・なんて言っているはるか昔から、「肴」には酒席の話題という意味があったのです。
酒席で話題になる「肴」であることが伍魚福の「エンターテイニングフード」の要件の一つです。
「酒の肴」の言葉の意味をかみしめながら、もっともっとおもしろい商品作りに取り組まなければなりません。
気づきの元となる「神戸・須磨・のりのりチヨコ」、これを作った尾崎さんに感謝。
ありがとうございました。