株式会社伍魚福 代表取締役社長

出張先より地域・社会とのかかわりについて経営について2023.02.14(Tue)経済産業省「中央アジア官民ミッション」(ウズベキスタン訪問)

2月13日(月)在ウズベキスタン日本国大使館での写真です。
私の肩の後ろ、大使館入口前に写っておられるのは、羽鳥隆大使です。

2月6日(月)より2月14日(火)まで、経済産業省主催の「中央アジア官民ミッション」に参加させていただき、ウズベキスタンへ行ってきました。
ロシアによるウクライナ戦争の影響で、ロシアと日本の貿易に支障が出ています。
特にロシアとの貿易を展開する中堅・中小企業にとっては、深刻な影響が出ていると思われます。
そのため、ロシア語を用いてビジネス展開ができる中央アジア(ウズベキスタン、カザフスタン等)での事業展開ができないか可能性を探るとともに、現地進出をするにあたっての課題を抽出することを目的に官民で現地を訪問し、調査しようというものです。

正式名称は、「令和4年度中堅・中小企業輸出ビジネスモデル調査・実証事業(現下の国際情勢を踏まえた輸出可能性調査)」。これを一般社団法人北海道総合研究調査会(略称HIT)が受託して実施されました。
HITさんは、北海道の独立系のシンクタンクで、長年ロシア・中央アジア・コーカサスなど旧ソ連諸国の調査・研究、企業進出支援・人材交流に取り組んで来られた組織です。

伍魚福では、ウズベキスタン日本センター(UJC)、キルギス日本センターの研修生の日本訪問時の企業訪問を2006年以降、16回、延べ約200名受け入れています。
来訪時にはロシア語の逐次通訳経由で、経営理念や、ビジネスモデル、マーケティング、POPの考え方等について説明し、アンケート結果も好評であるとのことで何度も訪問いただいています。
ビジネスコースの成績優秀者が来訪されますので、学ぶ姿勢がすばらしく、いつも刺激を受けています。
同時にウズベキスタンやキルギスに親しみを感じ、いつか訪問したいと思っていました。

民間の参加企業は食品関係、医療関係の9社・9名。
食品関係は、伍魚福の他、製菓・製パン原料卸、食品乾燥機メーカー、システム開発・ネット通販・外食展開企業、漢方薬原料輸入商社、手袋メーカーというバラエティに富んだメンバーです。
製菓・製パン原料卸の企業は5年前からウズベキスタン産のアプリコット・陰干しレーズンなどを輸入されており、品質・物流等での課題を明確に持っておられ、大変勉強になりました。
官の参加者は、経済産業省3名、北海道経済産業局2名、北海道庁2名。
事務局の北海道総合研究調査会3名。
総勢19名のミッションです。

食品関係は、タシケント、サマルカンド(2泊)を訪問。
医療関係は、タシケントと隣国のカザフスタン・アルマティ(3泊)を訪問されました。

訪問先・商談先は、以下の通り。
政府:投資産業貿易省、農業省、林野庁
自治体等:サマルカンド商工会議所、サマルカンド近郊地区長
民間企業:大手食品加工メーカー、中小ドライフルーツ商社、中小ひよこ豆加工メーカーなど数社
教育機関:ジャパンデジタルユニバーシティ(日本のIT企業が設立した日本語でITを学ぶ大学)、タシケント工科大学日本青年技術革新センター
タシケントのホテルでの商談会(参加企業20数社)、サマルカンド商工会議所での商談会(参加企業約10社)
日本関連:JICAウズベキスタン日本センター、在ウズベキスタン日本国大使館
ウズベキスタン日本センターでは、伍魚福に2回訪問いただいたDamirさん(写真右)とも再会できました。
左に写っておられる方も、伍魚福に訪問いただいたShukhratさんです。
Damirさんに伺いますと、伍魚福訪問時の私の作成したスライドをウズベキスタンでの研修でも活用いただいているとのこと。
世界がつながっていることを感じますね。

滞在中の7日間、土日含めて目一杯のスケジュールを組んでいただきました。
参加企業への事前ヒアリングをもとに、各社の要望を最大限取り入れていただいた結果です。

これらの訪問先での商談、ヒアリングを通じて、特に品質面、衛生管理面の向上についての課題が見えてきました。
日本の消費者の期待する品質レベルは非常に高く、それに伴って、日本の小売業・卸売業の求める品質レベルが高まり、我々メーカーに対して高度な品質管理レベルが要求されています。
消費者を保護するために法律も度々改正され、表示等に関するルールも年々厳しくなっています。
消費者の求める「安心・安全」のために、行政、卸・小売業、メーカーが共にスパイラルアップしている状態だといえるでしょう。

ウズベキスタンでもこの良いスパイラルを回し、着実にレベルアップしていくことが必要です。

これに加えて、二重内陸国(海に出るために2カ国を経由する必要がある内陸国)ということからの物流の困難さも大きな課題です。
現在は、シベリア鉄道・ウラジオストク経由でのコンテナ輸送などでかなりの時間とコストがかかる上に常温便しかありません。
空路の貨物輸送も非常にコストが高くなります。

今回のミッションでの調査結果をもとに、JICA、日本センター、日本国大使館、取引する日本企業が連動して働きかけ、法整備、教育を行う仕掛けができると、ウズベキスタンの発展とともに、日本の食糧安全保障の向上にも繋がります。

現地での訪問・商談に加えて、参加メンバー同士のコミュニケーションによる気づきも多くあり、大変有意義なミッション参加となりました。
事務局の北海道総合研究調査会の皆さんの尽力に感謝です。
中期経営計画で目指している「伍魚福ビッグバン」。
日本だけではなく、世界平和にもほんの少しつながっているかもしれない、ということを実感できたミッション参加でした。
参加された皆さん、お疲れさまでした。
今後も日本のため、世界のために少しでもお役に立てるようにしたいです。