株式会社伍魚福 代表取締役社長
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地域・社会とのかかわりについて経営について2021.08.21(Sat)兵庫県立大学大学院(MBAコース)で授業2021
兵庫県立大学の非常勤講師(8月21日、1日限り)に任用されました。
兵庫県立大学大学院社会科学経営研究科専門職専攻「2021年度実践リーダーシップⅠ」という社会人向けのMBAコースの授業です。
科目の担当教員は小寺倫明准教授と安室(やすむろ)憲一名誉教授です。
当日のファシリテーターは、安室先生。
受講される学生は14名。中小企業の経営者の方、大企業にお勤めの方、医療関係のお仕事をされている方、士業の方など職種はさまざまです。
昨年に引き続いて2回目ですが、今回もコロナ禍でzoomによるオンライン授業となり、私は自宅から参加。
直接皆さんとお会いできないのは残念です。
1.講師講義(40~50分程度)
2.安室先生との対談(30分程度)
3.ディスカッション(60分程度)
4.要約・まとめ(10分)
終了時点で、講師は退出。
その後、学生と安室先生で、
5.ケーススタディ(30分)
6.学生レポート(後日メール提出)
というようなタイムスケジュールです。
講義は20分程度延長可能、と伺っていましたので、1時間強、スライドを画面共有してお話しさせていただきました。
タイトルはいつもどおり「神戸で一番おもしろい会社を目指して」。
講義のテーマとして「修羅場(実践)における経営者の決断」を話すように、とのことでしたので、コロナ禍への対応を含めてお話しさせていただきました。
安室先生との対談では、質問に答える形で追加説明。
その後、学生のみなさんからの質疑応答。
「国際化については、どう考えているか」
「ファブレスのビジネスモデルを海外で展開できないか」
「後継者について」
「会社が変わったと感じたのはいつか」
「現在の顧客ポートフォリオになった経緯は」
社会人ならではの鋭い、かつ実際的な質問が多く、考えさせられることが多かったです。
安室先生の要約・まとめは次の5点です。
1.中小企業だが、大企業にひけをとらない理論的なきっちりした経営をしている。さまざまな仕組みを持ち、OPENな経営で、従業員の参加も促進している。評価の仕組みも存在している。
2.いろいろな表彰を受ける等、外部の専門家からの評価を受け続けてきた。
3.人財が育成されてきたことで、任せる経営ができるようになった。各種受賞がメンバーの自信につながり、人財育成にも繋がっている。
4.ビジネスモデルがZARA、H&M、ユニクロなどアパレル企業と同じようにマーケティングに特化している。いかに鮮度を保った商品を出しつづけることができるかが重要で、ファッションと同じやり方が食品でもできている。他社が真似しようとしてもなかなか追いつけないのではないか。
5.ESG的な考え方、CO2削減やゴミを減らす取り組みなど、どんな手を打っていくのかが課題。若いメンバーに考えてもらってはどうか。
私の報告をもとにまとめていただきましたので、実態よりも良い会社に見えてしまっているように感じます(汗)。
私はここで退出させていただきました。
その後学生の皆さんと先生でどんなお話をされたのか気になります・・・。
皆さんとのご縁に感謝です。
いつかどこかでリアルでご挨拶させていただきたいです。
小寺先生、安室先生、ありがとうございました。
追記:8月31日、学生の皆さんのレポートが届きました。
以前「放送大学」のテキストとして関西学院大学の佐藤善信教授にまとめていただいたケーススタディや関西経営品質賞優秀賞の受賞理由を読み、引用されている方もおられました。
皆さんのレポートから、印象に残ったフレーズを以下に挙げます。
「先代の社長(現会長)が、30 代の時に、日本リティリングセンターに流通を勉強に行き、経営、コントローラー、マーケティングを学び、同社の基礎を作った。そして、 同社の稼ぎ頭であるチルド食品も 1989年頃に完成している。先代もしっかりした経営をしており、また先を見据えた商品開発をし、その当時に適応した販売チャネルを確立していた。 そして、現社長は先代の作った同社の経営の基礎をもとに、社長の前職の経験を生かし、 さらに時代に合った経営を目指している」
「創業以来の黒字経営をしているのが素晴らしい」
「全員が個人の『ライフプラン』を作成しているような企業はないのでは」
「提案制度を取り入れている企業は多いが、経営トップである社長が提案・報告にすべて目を通して、それに返事までしている企業は少ない」
「コロナ禍という環境変化にも柔軟に対応できる組織になっている」
「急な構造変化はおこなわずに、すこしずつ環境の変化に合わせて多様化を実施してきたとの事で、他の会社には真似できない強みである」
「在庫管理の高効率性、広域な販路、歩留まりの極小化等の流通部分で他者との差別化を図っている」
「経営革新賞や神戸セレクションなど、客観的な評価を得ることは、経営者が自らの決断を確認する目安になるだけでなく、社内からの理解と協力も得られやすくなる」
「おつまみのお店にクレドというのは意外な感じがしたが、お客様にサービスを提供する基本はどんな仕事においても共通し、基本は変わらないものだろうと感じた」
「なぜ国際化していないのか不思議」
「200社にも及ぶ取引先の管理はさぞ大変だと思われるが、気をつけていることとして「工場にちゃんと利益が出ているか」とおっしゃったことに驚愕と感心で言葉を失った。 偽装を見張って取り締まるのではなく、利益が出ていれば偽装は防げるとのご説明に首がもげるほど頷いた」
「これだけの高度な変革を社員に要求してきたのだから、私からすると、十分に「ワンマン社長」に見える」
「企業規模からすると相当なシステムやルールが導入されており、社員が実際に運用仕切れているのか気になりました」
「国ごとの嗜好や文化を考慮しながら、おつまみの種類によっては協力工場を海外と提携し、現地生産や流通のグローバル化ができないだろうか」
「有名な話で「顧客が欲しかったのは、ドリルではなくドリルの穴である」 というものがあるが、それと同じで、伍魚福の顧客のほしいものは「商品」そのものというより、顧客の顧客(消費者)が買ってくれる商品であり、買ってくれる仕組み、であり、 伍魚福はそれを提供できている」
「「経営品質向上プログラム」「マネジメント強化プログラム」「自創経営・成長支援制度」を通じて、社員個々人のレベル向上とマネジメント能力向上に取り組んでおられる。これらの取組を通じて社員の意識改革、仕事に取り組む姿勢の改革を図り、「組織経営」の実現に結び付けてこられた」
「社員を経営に参加させる仕組みを維持するために、同氏が長年実践していることの一つに、「言葉の活用」がある。言葉とその組み立てにより、聞き手の納得力を高めている(「おもしろい会社」、「珍味を極める」、「珍極シリーズ」、「繁盛係」など)」
「事業承継後の戦略的意思決定の難しさ(方針変更)とリーダーシップの種類が、先代と比較して異なる部分の多い事例のため非常に面白かった」
私の説明や質疑応答からのレポートなので、良い方向に誤解されている部分もありますが、私も気づかなかった「言葉の使い方」に着目された方がおられるなど、さまざまな視点からのご意見は大変興味深いです。
「息子が少年野球でお世話になったコーチが伍魚福の方で、くるみと小魚の甘辛く煮込んだおつまみをいただいたことがあります」という方もおられ、世間の狭さにも驚かされました。
「スライドの枚数が800枚ほどあったような気がしました」という方もおられました。
そこに気づかれましたか(笑)という感じですが、講演の相手方や目的によってスライドを追加したり、修正したり、コピーしたり、長年の蓄積で巨大なファイルになってしまっています・・・。
とても楽しく読ませていただきました。
皆さん、ありがとうございました!