株式会社伍魚福 代表取締役社長
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「食」全般くぎ煮資料室商品について地域・社会とのかかわりについて経営について2012.03.20(Tue)第10回くぎ煮コンテスト・第1回くぎ煮文学賞の表彰式
本日3月20日火曜日、春分の日、快晴。
神戸市長田区の若松公園、「鉄人広場」にて「いかなごのくぎ煮振興協会」主催の2つのイベントの表彰式を開催しました。
司会は、MBSラジオ「こんちはコンちゃん」でも週1回レポーターを務めておられる「ケイちゃん」です。
こちらの写真は、本日表彰された皆さんです。
いい笑顔ですね。
まずは「第10回いかなごのくぎ煮コンテスト」の表彰式。
投票で選ばれた「大賞」の磯本和子さん、伍魚福が選んで商品化する「伍魚福賞」の桑野明美さんのお二人に表彰状と副賞を授与。
磯本さんは、何度もコンテストに応募いただいておりましたが、今回が初めての「大賞」です。
桑野さんは、唐辛子入りの辛口くぎ煮で応募頂き、伍魚福の審査員の試食により選んだ「伍魚福賞」。桑野さんのレシピを参考に伍魚福にて「辛口くぎ煮」を2000個限定で商品化させていただき、その商品も副賞として差し上げました。
似顔絵つきの商品にご家族の皆さんも笑顔。こちらもうれしくなりました。
おめでとうございます!
続いて「第1回いかなごのくぎ煮文学賞」の表彰式。
全国36都道府県から1031作品もの応募を頂きました。
応募いただいた全ての皆さんに感謝です。ありがとうございます。
厳正な審査の結果、グランプリ1点、準グランプリ1点、特選10作品、入選91作品が決定いたしました。
特別審査委員長の作家で俳人の三田完先生からのコメントをご紹介いたします。
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このたび創設された「くぎ煮文学賞」に36都道府県から1000編を超える投稿があった由──驚き、かつ喜んでおります。イカナゴのくぎ煮が神戸周辺のひとびとの暮しに密着し、歴史を刻んでいる証拠です。また、他の土地でも、たくさんの方たちがくぎ煮の味覚にさまざまな思いを馳せていることがわかります。
これぞ、くぎ煮の底力といえるでしょう。
応募作を拝見し、感服の思いはさらに強いものとなりました。どの作品も、父母から、また祖父母から受け継いだくぎ煮への愛が満ちあふれ、読者を深く頷かせる尊い作品でした。それぞれの愛に優劣をつけることなど本来できないことですが、心を鬼にして、文芸としてのユニークさ、表現の巧みさ、視点の面白さなどを秤にかけた次第です。
みごと入賞した皆様、まことにおめでとうございます。
惜しくも落選した方々も、来年の第2回くぎ煮文学賞に向けて、ぜひとも新たな着想を練っていただければ幸いです。
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上の写真の方は、「グランプリ」を受賞された神戸市垂水区の大濱義弘さんです。
俳句、短歌を交えたエッセイで応募頂き、見事グランプリに輝きました。
皆さんの作品への三田先生の講評です。
【グランプリ作品】(エッセイ)
「人と人をつなぐ神戸の春の香り─いかなご貧乏といわれても」
大濱義弘さん(神戸市垂水区)
エッセイに俳句、短歌を折り込むという形式が大変ユニークで、読者を惹き込み ます。シンコ解禁を待ちわびて準備をあれこれ整える様子──こちらまで胸がわ くわくします。30キロものくぎ煮を炊く奥様のご苦労と、それを温かく見守る ご主人の視線がよく伝わってくる作品でした。
【準グランプリ作品】(川柳)
「王将が 鯛なら くぎ煮 歩の誇り」
中村利之さん(大阪府高槻市)
鯛もいかなごもそれぞれ瀬戸内の名産。王将の貫禄と歩の底力をみごとにアピールした作品です。作者のくぎ煮への愛情が察せられ、嬉しくなりました。
【特選】(エッセイ・作文)
「いかなごくぎ煮のしおり」
辰巳明久さん(神戸市須磨区)
これもまたユニークな作品です。十数年のあいだ、各地に送りつづけたくぎ煮に 添えたしおりを列挙したもの。ローマは一日にしてならず。くぎ煮は一年にして ならず。十数年の歳月とくぎ煮の関わりをつづったスケールの大きさに感服。
「おかんのくぎ煮」
竹川尚美さん(神戸市西区)
ある年から変わったおかんのくぎ煮……。短いながらも、ほろりと泣かせる文章 でした。
「無題」
高橋富子さん(兵庫県三木市)
嫁ぎ先でのぎすぎすとした義父母との関係が、ゆっくりと溶けていく──家族の歴史とは、まさにこうしたものだと思います。その雪解けにくぎ煮が一役買ったとは嬉しい限りです
【特選】(川柳部門)
「根性は曲がっていないくぎ煮好き」
小田中準一さん(千葉県市川市)
いかにも川柳らしい、からっとした作風に脱帽です。
ええ、いかなごも、それを炊く人も、食べる人も、根性が曲がっているはずがない。
「「送ったよ」メールに飯を炊いて待つ」
三上武彦さん(東京都中野区)
思わず笑ってしまう。でも、わかります、その気持。
同じ作者の「遺産分けくぎ煮のレシピ欲しかった」にもニヤリとしました。
【特選】(俳句部門)
「たぷたぷと煮詰めるくぎ煮春の音」
村木美恵さん(岡山県倉敷市)
「たぷたぷ」というくりや厨の音がいい効果を生んでいます。味もご馳走、香りもご馳走、そして、音までもがご馳走……。作者の作るくぎ煮の美味しさが伝わってくるようです。
「芳春やくぎ煮が香る港町」
安原勝則さん(兵庫県尼崎市)
くぎ煮を炊く香りが町中に……。まさに芳春という言葉がふさわしい情景です。
格調高い一句。
【特選】(短歌部門)
「家々の釘煮炊く香がかぐわしくマスク外して深呼吸する」
オネリカさん(兵庫県尼崎市)
くぎ煮の季節は、ちょうど杉花粉が舞いはじめる季節でもあります。
あの家からもこの家からも流れてくるくぎ煮の香りに、我慢できずにマスクを取ってしまう……。気取らない楽しい作品です。
※(家々の釘煮炊く香のかぐわしく……)とすると、いっそう格調高い歌になります)
【特選】(詩部門)
「Spring has Come」
神戸ミュージックサロン
くぎ煮の歌までできたとは……。感動しました。
英語混じりの掛け合いがまことに楽しいですね。くぎ煮をテーマに心弾む、若々しい歌が誕生したことは嬉しい限りです。
【三田完特別賞】
(もうひとつ……)
特別賞として、長野きみ子さんの「私のくぎ煮の思い出」を推したいと思います。 お母さんが巻寿司に入れてくれたくぎ煮……とても美味しそうです。
91歳と高齢にもかかわらず、くぎ煮文学賞に応募してくださった気概に感謝。
お忙しい中、特別審査委員長として作品を読み、講評を頂きました三田先生に感謝です。
三田先生と「くぎ煮」の出会いは2000年頃。
淡路島出身の作詞家・阿久悠さんからプレゼントされたそうです。
商品を通じてのご縁がつながり、今回審査いただくこととなりました。
ありがとうございます!
特選以上のエッセイ、入選した皆さまのお名前は順次「くぎ煮.JP」で公開させていただきます。
皆さんおめでとうございます。
本日の表彰式には7組の方に参加頂き、皆さんとお会いすることができました。
皆さんそれぞれの人生の中に「くぎ煮」を炊く人があり、「くぎ煮」があるということに改めて感激。
表彰式の最後には、神戸ミュージックサロンさんからの歌の披露も。
こちらはYouTubeでご覧いただけます。
とてもうれしい一日となりました。
本日は並行して、過去のくぎ煮コンテスト優秀作品の試食会も開催。
こちらも列ができる盛況ぶりでした。
「くぎ煮コンテスト」、「くぎ煮文学賞」にご応募いただいた皆さま、審査に協力頂きました三田完先生、今回のイベント設営に協力頂きました「神戸鉄人プロジェクト」・「神戸ながたTMO」の皆さん、本日の表彰式に参加いただいた全ての皆さんに感謝。
また、伍魚福の事務局を務めてくれた児島豊リーダー、本日の試食会を担当してくれた高橋英二部長、佐藤篤文次長に感謝です。
ありがとうございました。